援助の効率性(Aid Effectiveness) の議論は、ローマ、パリ宣言以来深化しています。今回は援助の効率性と平和構築との接点について簡単に見てみます。 OECDでも‘脆弱国家’における援助の効率性というテーマで研究を行っています。
結論的にいえば、援助の効率性の議論は、平和構築を行っている国で非常に重要だということ。それはなぜかというと、
- 紛争後の国では援助への依存度が、他の途上国に比べて高い。よって、国家のオーナーシップに影響を及ぼす。
- 特に人道支援が行われている場合には、多数のNGOが参入することもあり、政府として、どこで何がおこっているのかが把握しにくい。よって、いったいいくらのお金がどの分野に流れているのかが分らない。
- 紛争後の国では、紛争の影響で、会計制度や調達制度を含む国家のキャパシティ-が低く、ODAが政府のシステムで消化しにくい。 よって、ドナーがドナー独自のルールでプロジェクトを遂行することが多い(つまり、PIUが増加する)。
- とはいえ、援助を有効に使わなければ、紛争に逆戻りする可能性がある
シエラレオネでも、これらの問題が顕著に表れており、さらに、世界的な傾向である‘新興ドナー’(中国やナイジェリアなどの今まで開発援助では大きなプレーヤーではなかった国々で、OECDドナーの設立しようとするルールに必ずしもアラインしないことがある)の台頭もあり、援助を管理することが、結構大変なのです。
とはいえ、政府とドナー側も色々と手を打っているのも事実。11月にナイロビ行われた援助の効率性についてのUNDPのワークショップで、シエラレオネ政府が行ったプレゼンを読んでみてください。
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