世界恐慌以来の不況と言われている今、景気の良い話はなかなかない。どこの会社が何千人の人きりをするとか、事業から撤退するとか、工場を閉鎖するとか、そういった類の話ばかりが耳につく。しかし、この世界的不景気の中、開発援助の世界では目に見える変化は起きていないように思われる。不況のために首を切られたとかプロジェクトを閉鎖したとか言う話はまだ聞かない。
これは、開発援助に関わるお金の大部分は税金であるODAを通じて流れるが、(任意拠出金で動いているUNDPなどの機関では)1年毎のドナーの予算策定サイクルで来まるのため、今のところは、まだ去年に受け取った資金で切り盛りしているからだ。しかし来年、再来年のODA予算は各国で減少するだろうということは容易に予想できる。ある記事では、30%もの減額が予想されている。
もし30%の減少ということになると、まずは、プロジェクトに対する収入が減ると思われるので、新しいプロジェクトが出てきにくくなるだろう。追加の資金が見込まれていた、すでに始まっているプロジェクトも縮小せざるを得ないかもしれない。 また、コアファンドも減少すると思われるため、(国家公務員規定で守られている)コアスタッフの雇用に影響を及ぼすということもあり得るかもしれない。さらに経営の効率化へのプレッシャーが増加するだろう。
とはいえ食糧価格の上昇などで、貧困層が1億人増加したと言われているこういう時こそ国連機関が役割を果たすべき時。少ない予算で最大のインパクトを出せる仕組みをさらに作って行かなければいけない。
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fife25800
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