2008年10月4日土曜日

国連における「手紙」

国連で仕事をする上で、結構手こずるのが「手紙」。いくらEメールが発達したとはいえ、公式にコミュニケーションをする場合には、手紙が使われる。最終プロジェクト文書の調印を促す時、本部からのえらいさんが出張でやってくると政府に伝える時、ドナーにレポートを送る時、政府からの支援要請の手紙に返信する時、内部での重要な決定事項をスタッフに伝える時などなど。

最初に「国連の」手紙を書かされたのは、もう5年以上前にもなるが、最初は上司の「赤ペン」が入りまくり、何度も何度も書き直された。以前働いた会社では要件を簡潔に伝えることを訓練されていたため、手紙の内容を「ふくらませる」ことにはかなり手こずった。同僚に見てもらっても、もっとFlower upしろと言われ、途方に暮れたのを覚えている。
さらに、上司によって少しずつスタイルが違う。感覚では、よりシニアで国連経験が長い人は非常に細部にまで気をつかう。2年ほどで大分手紙に慣れてきたところで、新しく働くことになったスウェーデン人の駐在調整官に手紙のドラフトを見せたところ、真っ赤になって帰ってきた。彼は手紙には特に厳しく、何度も書き直された。私がこのオフィスを去る直前に、ある非常に長い手紙を書いてくれと彼に言われ、気合を入れて書いた手紙が、一語も修正されずにサインされた時は、自然にガッツポーズがでた。
最近はさすがに手紙に慣れて、同僚の手紙を修正したりする役割が多くなった。ところが、ここ最近シエラレオネにやってきたベテランの臨時駐在代表に、私が書いた手紙がとことん修正されている。いつになったら修正なしの手紙が書けるようになるだろうか。

2 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

初めて貴ブログを読ませていただきました。

特に公的機関で働くと手紙を書く機会が多いですよね。某国際機関で勤務していた時、定年退職を迎えた日本人上司が、「英語の書き物は苦労した。ようやく自他共に満足するものが書けるようになったと思ったら定年だ」とつぶやいたのが記憶に残ってます。

スタイル、英語のニュアンスなど「正解」はない土俵ですよね。

中村俊裕 さんのコメント...

Bobさん、投稿ありがとうございます。今後ともよろしくお願いします。