2008年5月29日木曜日

Tipping the Nation

先日、コンサルティング会社勤務時代の友人とK介と会った。以前も少し紹介したが、現在は独立して教育改革に取り組んでいる。去年「世界一やさしい問題解決の授業―自分で考え、行動する力が身につく」という本を出版し、ベストセラーになった。現在この本は、中国語、韓国語、英語などに翻訳されているらしい。彼は、さらに子供たちが各自のポテンシャルを最大限に発揮できるようにする新事業にも取り組んでいる。

その日は、たまたま問題解決の授業を行っているということで、広尾の教室で授業を見せてもらうことになった。双子の兄弟と音楽業界でのビジネスを目指すもう一人という高校生3人が生徒。本の内容にのっとり、いかにして6万円のコンピューターを買えるかを論理的に考えるプロセスを勉強する。また、その時々の分析で、生徒にどういった考え方をしたかをプレゼンさせる。答えがあっているかだけではなく、どのように考えたかも重視する。さらに問題を解決するだけではなく、メッセージを効果的に伝えるコミュニケーション能力にも注意を払っている。私も国連で、問題解決のスキルがどのように役立っているかという話を5分ほどさせられた。

その夜、恵比寿で会い、色々な話をした。印象に残っているのが'Tipping the Nation'について。'Tipping Point'の意味あいで、要は国レベルで新しい流れを起こすということ。彼自身もうすでに日本の教育制度をTipしかけていると思うが、まだまだ現状に満足がいかない様子。また、子供時代に受ける教育や刺激の重要さについても話した。私も思い起こせば、小学校や中学校で先生から何気なく言われたことで、今でもはっきりと覚えていることがある。大人になってから受ける刺激とは異なるインパクトを持っているのだろう。

自分で事業を始めるにはかなりの信念と実行力がないといけないだろう。彼はそれを兼ね備える数少ない人だ。非常に良い刺激を受けた。私もTipping the Nationとは言わないまでも、小さく確実な流れを作る助けになりたいものだ。

2008年5月21日水曜日

ブリュッセルの空港にて

SNブラッセル航空でフリータウンを昨晩出発し、今ベルギー、ブリュッセルの空港にいる。次のフライトまで何と7時間待ち。外に出ようかとも思ったが、早朝の6時前に着いたため、外にでてもしょうがないかと考え直す。昨晩飛行機でほとんど眠れなかったため、疲れもたまっており、結局空港内の本屋や免税店で時間を潰すことにした。アジアの空港ではマッサージでもとなるのだが、この空港にそういう気の利いたものはないようだ。

ネットにログインすると、アフリカ生活では、あまり同じ時間帯では見かけない中国在住の友人がオンラインにおり、久し振りにチャットした。20分程近況を話し合った。上海でなかなか出世している模様。時間が有り余っているので仕事のメールもさばく。上司から「日本に着いたか?ところでこの仕事よろしく」とメールが来ている、、、。見なければ良かったか、、、。

今回は、日本に2週間、ホームリーブ(帰省手当とでもいうのか)という制度で帰国する。仕事が絡む可能性もあったが、最終的には休みだけになった。おいしいものを食べよう。本もたくさん読みたい。

2008年5月18日日曜日

重なる自然災害

中国の四川省での地震とミャンマーでのサイクロンで、多くの被害者が出ているようだ。津波後の仕事をしたこともあるのと、知り合いが両国で働いていることもあり、被害と援助の状況が気になる。

中国の場合、57万家屋が壊れ、現時点で3万人と推測されている死者とともに多くのけが人が出ている模様。死者10万人とも言われるミャンマーの場合は、ほとんど外部の援助を断っているようで、より悲惨な状況が予想される(理由は少し違うが、インド政府は津波後、自国で対処できると言って国際社会の支援を断った)。ちなみミャンマーの被害の規模は、死者の数だけで言うと、インドネシアでの津波での死者に近い数字にのぼっている。

インドネシアでの津波後の復興費用は、約4ビリオン米ドルと試算され、実際にはそれ以上の支援が集まったと記憶している。この規模の自然災害で最大級だったことと、タイなど西欧からの観光旅行先として有名な場所が被害を受けたことが要因だったと言われている。一方、現時点で比較はできないが、今回の中国とミャンマーでの災害に対して、津波時程の支援が集まっていない(中国には国連から7ミリオンドル程)。

シエラレオネでの本業はあるが、何か手伝えることはないだろうか。

2008年5月17日土曜日

頭脳流出

シエラレオネでは、他の途上国にもよく見られる「頭脳流出」と呼ばれる現象が起こっている。これは、国の知識層をを中心に、良い職や生活環境を求めて、アメリカやイギリスなどの先進国に移住する人が増え、その結果国内に残る能力が減少することを指す。中国、フィリピン、コソボ、アフガニスタン、東ティモールなど、同様の現象が起こっている国は枚挙にいとまがない。

紛争が終わって6年以上たつシエラレオネには、少しずつこういったディアスポラと呼ばれる人々が帰ってきているのは事実だ。新政権の顔ぶれを見ても、アメリカでビジネスをしていたシエラレオネ人などが、副大臣などのポストに就いている。また、大統領府の戦略・政策ユニットにも、シエラレオネ人で、元国連の駐在代表経験者や、イギリスの大学で教鞭をとっていたという人が顔をそろえている。

しかし、それらの人材をもってしても、非常にアンビシャスな理念を掲げた新政府が、それを遂行するための能力が絶対的に不足していることはだれもが認めている。一時期は西アフリカのアテネとも呼ばれ、近隣アフリカ諸国から頭脳を受け入れる立場にあったことを考えれば、今の状態は理想には程遠い。また、主権国家として、国家的戦略政策事項をドナーに依存しないためにも、海外に流出した頭脳を呼び戻すことが新政権誕生直後からトップアジェンダにあがっている。去年の12月には、大統領が直々に、大統領府にディアスポラユニットを設立することを公表した。

我々の組織は、大統領府を支援すべく、オープン・ソサエティー・インスティテュート(著名な投資家ジョージ・ソロスが設立)とヒューレットが設立したファンドを5-6か月以上交渉してきた。やっとプロジェクも出来上がり、約2億円獲得することができそうだ。

昨日シエラレオネに戻ってきたこのディアスポラユニットのカウンターパートから、今日の午後に電話があり、イギリス・アメリカでのPRキャンペーンの結果を教えてくれた。多くのディアスポラは、国の復興・開発に貢献したいという意気込みが非常に強いことを感じたという。これからインプリメンテーションが始まる。しっかりとサポートしていかなければ。

2008年5月13日火曜日

隠れた人材

今、全オフィスの経営改善プロジェクトを担当している。チームには、様々な部署から「参加したい」と自発的に言ってきた人たちが集まった。事務職の人も、プロフェッショナル職の人も女性も男性も入り混じった8人チーム。

普段の仕事上、オフィス全体の人たちと仕事をする機会が多いが、今回のような1つのプロジェクトで毎日一緒に仕事をするといろいろ見えてこなかった各自の色が見えてくる。例えば、「オヤ」という財務担当のオフィサー。今までは、愛想の悪く、文句ばかり言う人だなあと思っていたが、いざ一緒にプロジェクトをやってみると、彼女はかなりやる気があり、良く働く。チャレンジングな課題を与えても、勤務時間をオーバーして一生懸命やってくる。愛想の悪さや、文句の多さは、普段の仕事環境に対する不満から来ているのだとわかった。

人材はいろいろなところに、身近なところにも眠っている。誰がが発掘してあげなければいけない。

2008年5月11日日曜日

今日の午後

私が最も一緒に仕事をしているカウンターパートの一人、AMK氏は、平日とても忙しいため、良く週末に会うことがある。先週何度も会おうとしたが、色々な理由でリスケが重なり、今日ランチを兼ねて会うことにになった。場所はカントリーロッジ。このブログでも何度か言及している場所だが、私の家から5分もかからないということで、自分勝手に場所を決めさせていただいた。レストランからの眺めもよく、町が一望できる。週末にはレバノン人の家族が子供をつれてプールにやってくる場所でもある。


さて、先日承認された大統領府をサポートするプロジェクトの進捗状況や、海外に流出したシエラレオネ人の有効活用を促す新たなプロジェクトの話、今月末のTICADの話などをした。大統領自身が日本に行くということもあり、そのアドバイザーとしての彼も同行するかも知れないと言う。2時間ほど話をし、いくつかのフォローアップに合意した。


その後私は、カントリーロッジのジムに言って汗を流した(家の敷地内でのジョギングにも少し飽きてきたので、、)。トレッドミルの上でジョギングをしながらNYの空港で買ったSteve Miller氏のTurn Around Kidを読んだ。クライスラー社などの経営立て直しをリードした筆者の日々のチャレンジを書いたもので、なかなか読みごたえがある。クライスラーの後、デトロイト交響楽団の経営立て直しをしたり、一時期、世銀の元総裁のWolfensohnが始めたコンサルティング会社で働いた経験などを細かく記述している。多くの困難なディールを成功させた人として有名だそうだが、数々の挫折や失敗も併記している。MBA的教科書を読むよりも、こういった自伝記を読む方がインスピレーションを受けやすい。

2008年5月10日土曜日

オーガスト・ラッシュ

NYに行く飛行機でなんとなく選んだ映画「オーガスト・ラッシュ(August Rush)」が非常に気にいり、2度も見てしまった。これは、孤児院にいるエバンという子供が両親を探すというのが根底のストーリー。彼のまだ見ぬ両親は父親がロックシンガー、母親がチェロ演奏者ということで、エバンは素晴らしい音楽の才能を授かった。

孤児院を抜け出して(この時、ストリートシンガーからAugust Rushという名前をつけられる)、初めてギターやピアノなどの楽器を触り、数か月でマスターしていく。ジュリアード音楽院にも入学し、彼の作曲した音楽がNYのセントラルパークで演奏されることになる。

ストーリーは少し強引だが、映画で流れる音楽が素晴らしい。そして、音楽を心から楽しんでいるエバンの表情がいい。

今日は少しギターを弾いてみようか。

2008年5月9日金曜日

打たれ強く、真摯に、そして歯切れよく

どこの世界でもそうだが、目立てば目立つほど、称賛も非難も受けやすくなる。我々の組織も、そもそもマンデートからいって、かなりハイレベルの政府高官と仕事をしたり、ガバナンスなどの政治的にセンシティブな仕事するため、やはり組織として目立ちやすい。目立つからには当然それだけ非難も受けやすい。

先週、我々の担当しているプロジェクトが、シエラレオネの若者層の非難を受けた。地元のメディアでもこれが報道され、それに対する返答を公に発表する必要がでた。今日も非難を表現したグループをオフィスに招待し、ミーティングを行った。

大事なのは、非難された時にどのように対応するかだろう。何事も完全に遂行するのは不可能だからだ。めんどくさいからと逃げていると逆効果だろう。自身の意見をはっきりと歯切れよく主張し、かつ真摯に対応をするのが一番良いと思う(どうしようもない批判は無視するべきだが)。そして、そういう存在になったからには、非難は不可避だと、面の皮を厚くし、打たれ強くなることも必要だろう。私の以前の上司もよくいっていた-「組織の階段を上っていくためには、打たれ強くならなければいけない」と。私はまだまだ下っ端だが、私自身どれだけの非難に耐え、真摯にそして歯切れよく対応できるようになるのだろうか。

2008年5月7日水曜日

オフィス・スペースが足りない!

うちのオフィスは年々規模が拡大している。それに伴い、スタッフの数も増え、現在のオフィスの建物では人がおさまりきらなくかっている。

2年ほどまえから、このオフィスの拡大傾向を予測し、もっと大きなオフィスに移る計画が進んでいる。しかし、1つ目の候補地は、決定近くまで行ったが、最終的に色々な理由で決まらなかった。次に候補地となったところも、オフィスの共同スペースや、各機関のスペース割り当てなどの話まで進んでいるが、どうも政治的理由で、移れる雲行きが怪しくなってきている。

私自身、シエラレオネに到着以来「一時的なアレンジメントだから」と言われて、セクレタリーが座るような場所に座っているが、近い将来変わる可能性がなさそうだ、、、。今リクルートしている人たちの場所を確保するのは至難の業だ。早くオフィスを移らなければ。

2008年5月6日火曜日

フリータウンに到着

NYでの10日ほどのミッションを終え、フリータウンに帰ってきた。少し疲れているが、NYでの滞在は中々充実したものだった。友人とも会えたし、日本食もたらふく食べたし、仕事もうまくいった。ここ数日は、たまっているこちらでの仕事をさばくことに集中しよう。NYについて次のブログで詳しくアップデートする予定。

2008年5月3日土曜日

おいしいPizzaを食べる

NYについてほぼ一週間になる。仕事自体は順調に進んでおり、自分自身でも満足。今日のシニア・マネージャーに対するプレゼンも非常にうまくいった。

さて、昨日の夜は、仕事が終わってから、居候をしている宅の友人とともにPizzaを食べに行った。マンハッタンのイースト・ビレッジにあるで、もともとナポリ出身の人たちが作った店のようだ。私の友人も週に1回は来ているようで、常連としての扱いを受けていた。

ミソは、シンプルなPizzaを頼むことだと友人が強調したので、バッファロー(モッツアレラチーズがのったもの)を食べた。これがうまい。Pizzaの生地も弾力感があり、チーズもおいしい。トマトもうまい具合の量が乗っており、適度にジューシーな食感が感じられる。 NYでの生活も悪くないのだろうかと思う。この店ぜひお勧めですよ。