シエラレオネでは、他の途上国にもよく見られる「頭脳流出」と呼ばれる現象が起こっている。これは、国の知識層をを中心に、良い職や生活環境を求めて、アメリカやイギリスなどの先進国に移住する人が増え、その結果国内に残る能力が減少することを指す。中国、フィリピン、コソボ、アフガニスタン、東ティモールなど、同様の現象が起こっている国は枚挙にいとまがない。
紛争が終わって6年以上たつシエラレオネには、少しずつこういったディアスポラと呼ばれる人々が帰ってきているのは事実だ。新政権の顔ぶれを見ても、アメリカでビジネスをしていたシエラレオネ人などが、副大臣などのポストに就いている。また、大統領府の戦略・政策ユニットにも、シエラレオネ人で、元国連の駐在代表経験者や、イギリスの大学で教鞭をとっていたという人が顔をそろえている。
しかし、それらの人材をもってしても、非常にアンビシャスな理念を掲げた新政府が、それを遂行するための能力が絶対的に不足していることはだれもが認めている。一時期は西アフリカのアテネとも呼ばれ、近隣アフリカ諸国から頭脳を受け入れる立場にあったことを考えれば、今の状態は理想には程遠い。また、主権国家として、国家的戦略政策事項をドナーに依存しないためにも、海外に流出した頭脳を呼び戻すことが新政権誕生直後からトップアジェンダにあがっている。去年の12月には、大統領が直々に、大統領府にディアスポラユニットを設立することを公表した。
我々の組織は、大統領府を支援すべく、オープン・ソサエティー・インスティテュート(著名な投資家ジョージ・ソロスが設立)とヒューレットが設立したファンドを5-6か月以上交渉してきた。やっとプロジェクも出来上がり、約2億円獲得することができそうだ。
昨日シエラレオネに戻ってきたこのディアスポラユニットのカウンターパートから、今日の午後に電話があり、イギリス・アメリカでのPRキャンペーンの結果を教えてくれた。多くのディアスポラは、国の復興・開発に貢献したいという意気込みが非常に強いことを感じたという。これからインプリメンテーションが始まる。しっかりとサポートしていかなければ。
1 件のコメント:
I love your pictures, good blog!
コメントを投稿