2008年9月16日火曜日

経験の密度

国連機関で働いていると、よく耳にするのが、「経験」。私は20年の国連経験があるとか、15年のフィールド経験とか、このポジションに応募するには、x年の経験が必要だとか。ここで当然評価されているのが、経験の長さであって、12年の経験は、10年に勝るということが前提とされている。言い換えれば、経験の長さと、組織・開発に対する貢献度ポテンシャルは正比例するということが前提とされている。

これが暗黙の了解事項とされると、当然、年齢の高さというものが人事において大きな判断基準となる。今日も、オフィスでこのような会話があった。ある先進国の首相のアドバイザーチームの中核を担っていた一人が、最近から今この国の高官の支援をコーディネートしているが、この人が結構若い。30代半ば程。30代半ばと言えば、国連の階層では、年齢的に、まだぺーぺーである。この人にどのようなスキルがあろうとも、ぺーぺー扱いを受ける。この「年功序列文化」は、当然途上国政府にも存在し、あの若造に何ができるという態度であしらわれる。

私個人的に年功序列文化には未だあまりなじめいが、「経験」はばかにならないと最近思うようになっている。過去数年間を振り帰っても、色々な困難な状況に直面し、そこから学んだことは多いと思う。また、最近何人かの非常に経験豊富な(お年を召した)人と働く機会があったが、その方々の経験値からくる仕事の仕方に関心をすることもたたあった。
一方、民間では20代で大企業のパートナーとしてフォーチュン500企業をクライアントにしたり、事業を起こして大成功している人々達が存在するのも確か。この違いは経験の「密度」からくるのではないか。同じ1年でも、大きな権限を与えられ、大きなプレッシャーのもとで働く1年と、書類のコピーばかりさせれれる1年は大きな違いがある。若いからと言って権限を与えないと、その人材も伸びず、結局組織としても「損」をするのだろう。若い時から自立をし、事業を興す人などは、その密度の濃い経験から、飛躍的な成長をするのだろう。

2 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

はじめまして。
まだペーペー30代前半の男です。
国際保健分野に関わりたく今年から方向転換しました。
そういう意味では経験ゼロです。
密度高く経験を積んでいきたいなあと思っております。
OJTで勉強中ですが、平和構築と保健の絡みの中で将来働けたらと思います。

中村俊裕 さんのコメント...

Shinさん、

コメントありがとうございます。30代前半での転職も少なくありません。国際保健の分野で是非頑張ってください。