2009年3月9日月曜日

Dead Aid

ザンビア出身でゴールドマンサックスなどで働いたDambisa Moyo氏の書いたDead Aidが話題となっている。先日もBBCのハード・トークでも取り上げられていた。要約すると、アフリカへの開発援助は全く非効率で効果がないどころか、汚職や援助への依存、そして市場メカニズムへの悪影響を及ぼしており、援助そのものをやめてしまった方がいいという趣旨。かなり極端な意見だが、そのために物議をかもしだし注目を浴びている。

開発援助の効率性に関しては今まででも頻繁に議論されており、我々も先月政府との共同ワークショップで、援助資金が実際に人々の生活に影響を与えるまでにどのようなアクターの手を通り、その中でどのような問題が出てくるのかについて話し合った。

図に示されているように、大まかに自国の資金と海外の資金があるわけだが、このインプットを使って、MDGの達成というアウトカムをどこまで出せるか。



しかし、よく見てみると、元のお金がそのまますぐに貧困層の人々の手に渡るわけではない。通常はその間に国際開発援助機関、NGO、民間会社などの多くのアクターの間を巡り巡っていく。


お金がこのように複雑に流れる時、多くの問題も出てくる。例えば、開発援助機関での人件費に使われたり、あるNGOを選ぶ際に時間がかかり過ぎたり、大規模のプロジェクトを回せる地元の民間企業が存在しなかったり、などなど。お金がこれらの「中間業者」の人々の手を廻っている間にほとんどなくなっていたりもする。元の資金が最終的な裨益者にまで届くには数々のハードルがあるのだ。

前述のワークショップでは、この複雑な仕組みを所与として、どのように一つ一つの問題を解決できるかが主な問題設定だったが、これらの「中間業者」を取っ払うとしたらどうなるか、、、?

私自身、援助のうまくいっていない部分色々と見てきた一方、うまくいっている部分も見てきたため、一概に援助が機能していないという議論には賛成できない。しかし、この本が問う問題は真剣に考える価値がある。

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