2008年2月24日日曜日

開発プロジェクトと管理にかかる費用

ODAの効果が最貧層まで届くにはどうすればよいか。これはODA始まって以来議論されていることだろう。現在でも、援助の効率性に関するパリ宣言、プロジェクトマネジメントの方法論確立、南々協力、知識管理などなど、さまざまな形で議論に上っている。

最近私が気になるのが、プロジェクト予算の中での管理費の割合。この場合管理費とは、プロジェクトマネジメントに関する費用と考えていただきたい。開発援助の世界では、この管理費を必要最小限におさえ、予算の大部分がプログラムの実際の活動に使われるべきだという暗黙の了解がある。そして、管理費を最小限に抑えるということが、国際スタッフではなく、ローカルスタッフを最大限使い、かつ数も最小限に抑えるという。

しかし、どうもこの傾向が行き過ぎているような気がしている。プロジェクトの目標と達成するためには、どうしてもしっかりした管理体制が不可欠だ。ここに投資を渋ると、あとがガタガタになる。10の結果を出そうとしても、3の結果しか出ないことにもなりかねない。私自身、管理体制がガタガタのプロジェクトをいくつも見てきた。

最近視察させてもらった他のドナーのプロジェクトは規模が小さいが、5人もの国際スタッフを雇って、万全の体制を取っている。お金が援助の対象に落ちないという批判は容易に受けるだろうが、私は、管理体制の強さに関心した。管理費を削りすぎてもいけない。匙加減が大事だ。

2 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

わたしもそう思います。

年々、日本からのODA予算が縮小され、それに伴い、日本関連のプロジェクト予算も小さくなり、しかしアウトプットは以前のままに、という傾向があります。現地で係る費用(スタッフ、車輌、危険対策、事務所管理等)はあまり変動がないので、プロジェクトの人件費の部分が薄くならざるを得ません。

プロジェクトに実際入って動く人間のサービス労働ありきの構造になりつつあり、ある意味、効率や体制の弱体化にいずれは繋がってしまうのでは、と思います。

私見に留まりますので、少し偏った見方かもしれませんが・・・・

中村俊裕 さんのコメント...

そうですね、ODA減少に対応するには、フォーカス、パートナーシップ、アプローチの面でODAがより戦略的になることは必要でしょうね。戦略的開発援助については以前から書いてみようと思っています。今後ともコメントよろしくおねがいします。