2008年7月5日土曜日

Wikinomics-ウィキノミクス

ドン・タプスコット氏とアンソニー・ウィリアム氏の共著によるWikinomicsを読んでいる。この本は、近年の「フラット化する世界」などの一貫で、IT技術がどのように我々の生活・文化・仕事に影響を与えるかを書いている。特にマス・コラボレーションと呼ばれる、ピア・トゥー・ピアの協働に焦点を置いている。

冒頭の章で、ある鉱物発掘企業(Extractive Company)が、それまで、企業秘密として扱っていた、鉱物の位置を推定する方法を、懸賞を付けて一般から募り、大きな成功をあげたことを例にあげる。企業の持つデータをもすべて公開し、それらを用いて、今まで企業内で行っていた推定方法を越える方法が多くの技術者、数学者、学生などから集まった。そこから集まった採掘場所の候補の80%から実際に鉱物が発掘され、企業に大きな利益をもたらしたという。

また、FightAids at homeという大学発のプロジェクトは、個人のもつPCの使われていないスペースを使って、大きなバーチャルスーパーコンピューターを構築し新しい薬の発掘に使っているという。

このようなマスコラボレーションは、開発援助でももっと使われていいはずだ。私の働く機関で、ある友人がGlobal Voteというイニシアティブを始めている。これは国連の様々な採択事項ついて、同意するかしないかを一般の人に投票させる仕組みだ。国連という非常に「限られた」世界での議論・決定事項をさらにオープンするという試みだ。開発援助はこういう新しいアイデアを必要としている。

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