2008年3月4日火曜日

紛争中・紛争後の国における国連の役割

今週の月曜日からエジプトのカイロで国連のワークショップに参加している。国連開発グループ(UNDG)が主催するもので、紛争中・紛争後の国で国連がどのように「1つの国連」として平和構築に関する戦略的支援を行えるかを議論するというもの。イラク、アフガニスタン、リベリア、パレスチナ、ソマリア、東ティモール、スーダンなどの国から、国連駐在代表オフィスでプラニングを行っている担当官が中心に集まった。国連機関からはUNHCRとUNDPが参加している。本部からはUNDG、OCHAそしてDPKOのスタッフが参加している。合計50人ほどの中級サイズのワークショップだ。

こういう会合は、各国国連代表者との情報共有は当然として、自分のモーティベーションを高めるのにもいい。国連の非効率性は様々なところで批判されているが、こういった国で働いている国連職員の士気は非常に高く、刺激を受ける。政治的、治安的な困難はあるが、やはり国連のPeace, Security and Developmentというマンデートを一番発揮できるところでもあり職員の自負もあるのだろう。

今日はワークショップの2日目。まず冒頭にイラクの国連事務総長特別副代表がイラクでのチャレンジを話してくれた。ヨルダンにいながら数千億円スケールのファンドを扱い、非常に難しい米国やイラク政府との折衝しながら行っている仕事を非常にダイナミックに話してくれた。

シエラレオネで一時一緒に働いた同僚の一人のFは今ソマリアの北部で働いているが、ワークショップの合間のコーヒーブレークに非常に生き生きとソマリアでの仕事を話してくれた。ソマリアといえば、かなり治安状況が悪く、仕事場も住居も同じ場所で厳重な警備がつねに張りめぐらされており、外にでるにも警備のエスコートが必要だというが、ダイナミックな仕事に非常に満足しているようだ。また、現在中央アフリカ共和国で平和構築基金の受け入れ準備をしている担当官ともシエラレオネでの経験を共有することができた。

ところで、今回の会合には、私以外にも、本部の平和維持局から日本人が2人来ており、日本人が合計3人参加している。ベテランUN職員の開催者は、「日本人はこういう紛争地域では今まであまり見掛けなかったが、最近非常に増えているようだね」と言っていた。日本政府が様々な制度を通じて日本人職員の増加をサポートしてきたが、徐々に結果が目に見える形で出てきているのかもしれない。

3 件のコメント:

匿名 さんのコメント...
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匿名 さんのコメント...

どうしても、外部の人間には、国連のマイナス面が強調されがちなのは、なぜでしょうか。多くの組織はそういう非難を受けてしまうのが世の常なのかもしれないですが・・・

異なる地域にいながら同じ立場を共有している人たちと定期的に集まると、気分や知識が一新されそうですね。

バラバラじゃないんだ、人間を通した(オンラインベースばかりではない)ナレッジシェアリングの場があるんだ、と発見しました。

中村俊裕 さんのコメント...

いつもコメントありがとうございます。国連は多くの批判を受けていますが、特にフィールドではやる気と能力にあふれた人々に多く出会います。私もその仲間に入れるよう日々精進です。