
Wiiフィットは、ご存じのように、ヨガ、筋力、バランス、エアロビクスの4種類の運動ができる。減量の目標値を決めたり、自分の過去の点数と競わせたり、運動のTipがところどころで出てきたりで、運動を継続させ、動機づける様々な仕組みを凝らしている。今まであまり使っていなかったような筋肉を使わされ、なんとなく効果があるような気がしている。ここでの「運動不足」も解消されるか。
さて、近年のゲーム機、ソフトの発展に伴い、このゲームを単なるエンターテイメントにとどめるだけでなく、もう少し「シリアス」な、社会的に有意義な目的にも活用しようという動きがある。その名も「シリアスゲーム」といわれ、「公共政策、ヘルスケア、教育、経営等の多様な社会問題に対応するゲームまたはゲーム技術とその活用」のことを指す。日本でもシリアスゲーム・ジャパンなる団体ができてシリアスゲームの普及を図っているようだ。
それでは、国際開発・平和構築とゲームを「くっつける」ことはできるだろうか?例えば、ある農村を対象にしたプロジェクトのマネジメント手法をシュミレーションするとか、選挙支援の計画立案から執行をするとか、新入社員を対象にドナーから資金を調達する訓練をするとか。もう少しポリティカルな設定で、平和構築委員会で、ある国の代表として参加し、自国のポジションを主張するなど。実際世界食糧計画はこのさきがけとなるFood Forceというゲームをつくり、今まで貧困問題に興味を向けていなかったような若者層の意識変化に影響を及ぼしているようだ。食糧問題を越えた、様々な開発援助・平和構築分野でのゲームの活用もできるはずだ。